第3章 密やかなる破片




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「……医務室、だったね」

「はい。しかし、夜は客室にて休ませるはずです」

「そう、か……」

 本当にサキューテは、よくわかっている。石――力の象徴たるラピス・ラズリの欠片を所持していた気功使い・・・・。間違いない。彼だ。彼が今、この城にいる。
 果たして、想像通りの姿だろうか。神格にのみ許される濃紫の瞳と色素の薄い――薄紫・・の髪という姿で。

「早く、夜にならないかな…」

 自室から客室までの警護の少ないルートを思い浮かべる。自室の警護はサキューテに変えるとして、問題は鍛錬室だ。あそこは夜でも人がいる。さて、どうやってかいくぐるかな…

「早く君に会いたいよ、リュート」








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