戦国無双3 〜両兵衛〜 ショートストーリー 別ver.



ネタばれ注意 官兵衛ストーリーを終わらせた方のみご覧ください

氷鏡は半兵衛派(?)なので、
こんなの違うとかこんなこと言わないとかの苦情は受け付けませんですの



それでは、どうぞ↓↓








 あの者の寝顔が目裏に焼き付いて離れない。
 悲しむでもなく怨むでもなく…すべてを包み込むような、穏やかな、やや悪戯な表情。
 私はそれに囚われ、半ばうなされるように眠りに落ちた――


 普段より暗い気分で床を出る。
 水面に映る目が、僅かに、赤い。

 心持ち重い足で、廊下を歩く。

「あ、官兵衛殿、おはよう〜 相変わらず早いね」

 軽くあくびをしながら、半兵衛が――半兵衛!?
 何故、半兵衛が!?
 半兵衛は昨夜……

「どうしたの官兵衛殿? そろそろ毛利元就との再戦の日でしょう? あ、もしかして軍略練ってて眠れなかった?」

 からかう声に耳も貸せず、思わず手を伸ばす。

「心配しなくもちゃーんと俺が言い策考えたから――」

 半兵衛の、こちらに向けられた手に触れる。

「え、何々、どうしたの? 本当に大丈夫?」

 幻ではない。ではあれは――夢? いや、しかし、確かに病であったはず…

「卿……体は大丈夫なのか?」

「うん? だいぶ良くなったよ。みんなが笑って寝てられる世になるまで死ねないしね。あ、もしかして心配してくれたとか?」

 私は鼻で笑って再び廊下を歩きだした。
 そうだ。卿が死ぬはずがない。
 犠牲は時にやむを得ない。
 だが卿が火種になるはずがない。
 なりようがない。
 だから、犠牲になどならずともよいのだ。

 これから卿とともに泰平の世を築く。
 そのために、私は――






END